派遣の雇用期間「3年ルール」についての仕組みと3年以上働くための方法とは?|軽作業・内職依頼は低コストで短納期の【手作業マーケット】箱詰め、シール貼りなど
2025/02/02 基礎知識
派遣の雇用期間「3年ルール」についての仕組みと3年以上働くための方法とは?

派遣労働者として働いている皆さまにはお馴染みの「3年ルール」ですが、派遣労働者として働き始めたばかりの人や、実際に現在派遣労働者として仕事をされている方の中にも3年ルールについて詳しくご存知ない方もいらっしゃると思います。
ここでは、派遣労働者として働くのであれば、必ず知っておいて欲しい派遣の「3年ルール」についてご紹介いたします。
派遣の「3年ルール」とは?
派遣労働者の「3年ルール」とは、有期雇用の派遣労働者は、同じ事業者・組織で3年を超えて働くことを原則として禁止するというルールです。
2015年の労働者派遣法の改正によって新設された期間制限ルールです。
3年ルールには、2つの期間制限が設けられています。
- 事業所単位
- 個人単位
です。
事業所単位とは、同一の事業所において派遣を受け入れられる期間を制限するものであり、個人単位とは、同一の派遣労働者が同一の組織で働ける期間を制限するものを指します。
同じ派遣先の事業所が派遣を受け入れられる期間は、原則3年が限度というのが、事業所単位の期間制限です。
ただし、過半数労働組合、または過半数労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者から意見を聴く手続きを行なえば、3年を限度に期間を延長することが可能になります。
派遣労働者は、同一の組織で3年を越えて働くことができないというのが、個人単位の期間制限です。
ここでいう同一の組織とは、「○○課」や「○○グループ」といった業務上関連性がある組織を指します。
有期雇用の派遣労働者は、上記に示した事業所単位と個人単位のうち、どちらか先にきた期間制限が有効となります。
例えば、Aさんが派遣社員として2025年1月1日から働き始めたとしましょう。
Aさんの事業所単位の期間制限は2028年12月31日です。
次にBさんが2025年4月1日から働き始めた場合、Bさんの個人単位の期間制限は、2028年3月31日までとなりますが、その日を待たずして事業所単位の期間制限である2028年12月31日が訪れます。
よって、個人単位の期間制限の3月31日よりも、事業所単位の期間制限である12月31日の方が適用となるため、実際にBさんが働けるのは、2028年12月31日までとなります。
5年ルールと3年ルールに違いとは?
5年ルールという言葉を聞いたことがあると思います。
ここで、よく間違えられる5年ルールと3年ルールの違いについてご紹介しましょう。
5年ルールとは、契約社員やアルバイトなどの有期雇用労働者が同じ会社で通算5年を越えて働く場合に、無期労働契約へと転換できるというものです。
契約期間が3年の場合、1回目の更新後の3年間に無期転換の申し込みができ、雇用者はこれを断ることはできません。
3年ルールが決められているのはどうして?
理由は、2つあります。
①派遣労働者による常用代替を防止するため
労働者派遣は、あくまでも一時的に労働力を補うためだと考えることに基づいて、正社員の仕事を奪わないという目的で制定されました。
②派遣労働者の雇用を安定させるため
以前は、専門性の高い一定の業種に該当する場合、雇用期間の制限はありませんでした。
しかしながら、これにより派遣として正社員より劣る条件として雇用され続けられる上、いつでも契約を打ち切られる可能性もあります。
このように派遣労働者の雇用が不安定になるため、これを問題視したことから3年ルールが設けられました。
3年を超えて働く労働者のための派遣会社に課せられた措置
3年を超えて働く見込みとなった派遣労働者に対して派遣会社には、以下のいずれかの措置が求められます。
- 派遣先へ直接雇用してもらえるように依頼する
- 新たな派遣先を提供する
- 派遣会社において無期雇用する
上記以外でも雇用の安定を図るための措置であれば有効とされています。
派遣3年ルールが適用されないケース

派遣3年ルールが適用されないケールもあります。
以下のいずれかに該当する場合には、3年ルールが適用されません。
- 派遣会社に無期雇用されている
- 60歳以上
- 有期プロジェクト業務で終期が明確である業務
- 日数が限定されている業務(1ヶ月の業務日数が通常の半分以下、かつ月10日以内)
- 育休代替業務(産前産後休業、育児休業、介護休業を取得している労働者の代替業務)
3年ルールのメリットデメリット
派遣労働者にとっての3年ルールについてのメリットデメリットについて見ていきましょう。
3年ルールのメリット
メリットは、3つあります。
1つ目は、雇用が安定しやすくなるという点です。
3年という期限があることで、労働者には、派遣先に直接雇用されたり派遣元で無期雇用されたりする可能性があります。
働き方の選択肢が広がると同時に、収入が増える可能性やスキルアップにつながります。
2つ目は、派遣労働者が今後の見通しを立てやすいという点です。
3年後には、勤務先や働き方が変わると事前に分かっているため、キャリアの方向性やライフプランのイメージもしやすくなります。
3つ目は、キャリアアップしやすくなるという点です。
同じ事業所で長期間派遣として働く=キャリアアップの機会が制限されるということです。
3年という区切りをつけることで、働き方の選択肢も増え、キャリアアップもしやすくなります。
3年ルールのデメリット
デメリットもメリット同様3つあります。
1つ目は、3年ごとに勤務先が変わるという点です。
新しく仕事を覚え、人間環境や環境に慣れる必要性が、3年ごとにやってくるということです。
人によっては負担やストレスに感じることもあるでしょう。
2つ目は、3年を待たずに雇い止めされる可能性があるという点です。
何らかの理由で3年を待たずして雇い止めにあえば、新たな勤務先を探す必要があります。
3つ目は、無期雇用の派遣社員は直接雇用されにくいという点です。
派遣会社と無期雇用派遣の契約を結んだ場合、雇い止めの不安はなくなりますが、一方で派遣先に直接雇用されるという可能性はほぼなくなります。
まとめ
3年ルールについて、かなり理解を深めていただけたことと思います。
上記で記したことを根拠に、同じ派遣先で3年を超えて働く方法は、4つです。
- ①派遣先の会社に直接雇用される
- ②同じ派遣先で別の部署や課に異動する
- ③派遣会社に無期雇用される
- ④クーリング期間を利用する
クーリング期間とは、派遣を受け入れていない期間のことです。
事業所単位、個人単位の両方に設けられているもので、いずれも3ヶ月とされています。
このクーリング期間の3ヶ月を超えると期間がリセットされ、再び同一の事業所で3年間を限度に働くことができます。
しかしながら、労働者のキャリアップという観点から考えると、あまり望ましくないかもしれません。
3年ルールのメリットやデメリットもよく理解した上で、ご自身にあった働き方ができると良いですね。